孫世代は食っていけるのか

 全国の一等米比率が16ポイントも減ってしまった。記録的な猛暑と水不足が原因だ。米どころ新潟県では等級が低くなり単価が下がって、なおかつ収穫量も減った。米作農家のピンチである。
 昨年は米価が約10パーセント上がったとはいえ、ここ数年は記録的な安さで農家は悲鳴を上げた。前回の衆院選の時は「スマート農業の促進で効率化と高収益」などと農村地帯でビラを配布しても「こっちはスマートもヘチマもない。それよりも米価を少しでも上げろ」と言われた。酪農もそうであるが、本当に生きるか死ぬかなのである。
 世界規模で小麦が不足する中、真剣に食糧不足が語られている。アフリカ諸国のみではなく、気候変動が世界を大きく変えていく可能性が非常に高い。今後は経済力、外交力、科学力のある国家のみが、安定的に国民の食糧を確保していけるだろう。
 何があっても、いかに食料自給率が低くても日本の防波堤になるのは米になる。確かに米の消費量は減っているが、米作にしても牧畜にしても、一旦やめてしまったら現実的に再開は不可能に近い。特に田んぼを潰したら、二度と元の土壌や水源は戻らない。
 米をもっと食べようなんてPRを一時期やっていたが、そんなもんで消費量が増えるわけがない。米粉利用による大ヒットするような商品開発で世の中を大きく動かさなければ、これからもどんどん減反は政策として進められてしまうのではないか。コンビニの商品開発力はすごいが、米関連業界からのスーパーヒット作は聞いたことがない。
 これ以上の減反は数年先の日本を救うかもしれないが、百年先の日本にはどうなのか。農業漁業、外交、地球環境等の専門家を集めた食糧安全保障研究を、政治の力で推進していけないものだろうか。
 何度でも言うが、数年先ばかり見ていないで百年先を見る政治家を望みたい。
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました