偉い先生のアドバイスに気をつけろ

 木村弥生江東区長が辞職したが、木村陣営の違反広告に柿澤副大臣の勧めがあったことが判明した。実はこれ、よくあるケースで、選挙実務担当者は気をつけて欲しい。
 選挙事務所といっても、選挙に詳しい人が必ずいるわけではない。詳しそうな人でも、何でもかんでも知っているなんて、まずあり得ない。
そんな中、偉い先生が「〇〇はやった方がいいぞ」と声高に選挙アドバイスする。支援してもらっている関係もあり「ハハーっ、しかるべく」となる。しかしアドバイスする方は選挙のたびに神輿には乗っているが、選挙実務に詳しいわけではない。まして細かなことなんぞ、知る由もない。しかも自分の経験してきた選挙プラスアルファの狭―い〝選挙常識〟の中から語っているだけだ。
 アドバイスされた方は「この先生は選挙の修羅場を潜り抜けて来たので、詳しいに違いない」と思っている。選挙手法は日進月歩で、三年もたたずして変わってしまう選挙常識も多々ある。
 私が関わった選挙で、相手陣営の街宣車に外国人有名サッカー選手が街に乗り応援演説をやっていた。こちら陣営にいた元弁護士の大臣経験者が「外国人の選挙運動は違反だ。すぐに警察に電話しろ」と叫んだ。いや、合法ですよと言っても聞くもんじゃない。
 柿澤副大臣が偉そうにしたとは思わないが、木村陣営の責任者は実に気の毒だ。副大臣はアドバイスしただけなので責任はなく、実行者本人が罰せられる。執行猶予はつくだろうが、まあ、確認をしなかった責任は小さくないから仕方がない。木村前区長も可哀想かもしれないが、実務責任者に任せたのだから仕方がない。選挙とはそういうものだ。
 私の経験則で言えば、若手の県会議員の八割はきちんとした人だが、二割はいかれている。ちょうど威張りたいお年頃とポジションなのかもしれない。もちろん歳とった県議にも、いかれてるのがいるけど。
 初めての選挙実務責任者は十分に注意されたい。

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