フランスで人種差別が発端となり暴動が多発、11日間で6万件近い犯罪が勃発した。凄い数である。
世界中で同様の事件はしばしば起こる。薬物でゾンビになった人たちで溢れかえるケンジントン通りが有名になってしまったフィラデルフィアに住む女性が「暴動や犯罪が問題なのではない。その数が多過ぎて、当たり前に日常化していることこそ問題なのだ」と言っていた。凄い世界観だ。
日本では目立った大規模な暴動はあまり起きない。大規模なのは六十年代から度々起こる釜ヶ崎暴動と山谷暴動くらいか。山谷なんかは外国人バックパッカーに占拠され、労働者の街ではなくなってしまって、もう暴動が想像しにくい。
暴動が怖いのは集団心理や厭世感覚が働いて、犯罪の収拾がつかなくなることだ。警察側の手が足りなくて、全員を検挙するなど不可能だ。賠償請求だって事実上難しい。何年か前に中国で日本企業が標的にされたが、国も個人も賠償なんかクソ喰らえだろう。
世界の暴動は、主に人種差別と貧困が要因となるようだ。日本人は秩序があって暴動は起きにくいというが、貧困率がさらに高まってくると特に都会では今後分からない。近年の成人式、渋谷のハロウィンなどは無秩序の狂乱に他ならない。東北大震災の時は美談に溢れ、あまり表には出てこなかったが、店舗や死者、一人女性に対する乱暴と強奪など、暴動的な話を何人かに聞いた。
インバウンドは世界的にも稀有な日本人の秩序によるところが大きい。街の清潔、治安の良さ、丁寧で礼儀正しい店員、鉄道の正確性‥、つまり秩序が金を生んでいるのだ。日本の秩序は国家価値の生命線でもある。
選挙戦で唱えても直接的な票に結びつかないかもしれないが、秩序を守る政治を貫いて欲しい。地方政治にもそれは通ずる。秩序ある政治は公平な政治とほぼイコールだ。
昨今議会の秩序を乱す事件がしばしばニュースネタとなるが、トップリーダーは議会の秩序はもちろん、街の秩序、政治の秩序、そして自治体〜国家の秩序を明確に示していきたいものだ。
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