苦境の中で生き残る政治家とは

 私の行っているボクシングジムのトレーナーが後楽園ホールでフィリピン人ボクサーと戦った。二回にKO勝ちした。近しい人がリングに上がるのを初めて見たが、野球などの応援と違って何だか胸が苦しくなるような気持ちになった。
 実際ボクサーの一敗は我々が思っている以上に重い。ほんの数敗で引退してしまうボクサーはたくさんいる。事実昨日応援したトレーナーのお兄さんは、日本チャンピオンになった後、一敗しただけで引退してしまった。
 さて今の政治家はあっさり引退する人は少ないようだ。傍目に見て、どう考えても先はないように思ってしまう人でも、当然の如く次の選挙、また次の選挙に出てくる。選挙区を変えたり、参院選に転身するのはまだそうかと思うが、場合によっては小さな都市の市長選や地方選に出る人もいる。何だかなぁと思う反面、(頑張っているじゃないか)と応援してしまう気持ちも生まれてくる。
 個人的な感想だが、選挙の一敗はボクシング以上に重いと思う。ボクシングのように身体に重体なるダメージは受けないが、お金、心のダメージ、先への不安、そして何より戦後の人間関係など、選挙は文字通り正に人生を賭けた戦いになる。三木武吉は「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちたらタダの人」と言ったが、出馬のため目も眩む大借金なんかしていたらタダ以下の人だ。
 よくもまあ、何度も何度も出てくるものだと思う。だんだんと麻痺して、もう敗北がダメージにならないという人もいるかもしれないが、ちゃんと生き残って何らかのバッジを付ける人も少なからずいるから侮れない。
 生き残るのは周辺の人たちに感謝を忘れない人たちだ。当たり前のことを当たり前にできる人は、選挙の世界では尊敬される。所詮人間一人ができることなんて、高が知れている。周りから多くの後押しがあってこそ、苦境の中での大逆転が生まれてくるのだ。
 私も明日から日々感謝の心を忘れずに生きていけば、人生の大逆転があるかもしれない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました