人間をダメにする政策

 無償化と言えば、人は喜ぶ。それはありがたいと思わず飛びつきたくなる。しかし結局は自分たちの税金が使われるのを考えると、無条件には喜べない。所得税、消費税をはじめとして、どれくらいの負担があるかよく考えてみるとますます怒りは倍加する。
 私立高校の無償化、私立小学校中学校の補助は、正しいと言えるのか。ちょっとした工夫、というまでもなく、視点を変えるだけでいくらでも選択肢のあるものに対して、無償化や補助は必要なのだろうか。
 不妊治療には意味がある。「子供のいない選択肢を考えろ」と国が言うのは筋違いだと思う。しかし私立小学校に行くのに補助なんて、なぜ必要なのか。困っている人に金を回せと言いたくなる。
 補助金の獲得が目的化して、無駄な設備投資や雇用をしてしまう中小企業はあとをたたない。東北大震災で被災した企業にも同じような話はたくさんあった。結果業績が少し悪化してしまったら、想定以上のダメージを受けてしまう。
 私は所得制限無しの子供の医療費無償化にも賛成できない。安易な受診を促進してしまうのは子供のためにも医療現場のためにも、国家財政のためにも良くない。
 そして今度は結婚式に補助だ。結婚式を挙げる金がないから結婚が減って、少子化につながっているとでも考えているのだろうか。結婚式をしない選択、レストランを借り切って安価で行う選択、結婚式に変わって独自イベントをする選択‥多種多様なZ世代感覚を潰しているように思えてしまう。
 制限無しの無償化は人をダメにする第一歩だ。緊急時を除いて、本当に困っている人だけに実施するのが税使用の本質だ。
 未来への投資については、慎重なる検討が必要になってくる。だから実施してしまった政策についての検討審議、検証機関が必要と以前述べた。政党や政府第三者機関から、まとまったものが出てきた試しがない。因みにプライダル補助は、未来への投資ではない。単なる政策バーゲン、緩フン音頭だ。
 一体どんな手順で実施が決められたのか。「まあ、もしちゃんと利権が絡んでいるなら、それはそれでアリか」、妙な納得をする以外に、発想と理由がどう考えても分からない。

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