各社ばらつきはあるが、現在の内閣支持率はおおよそ30%前後だろう。上出来とは言わないが普通である。歴代を振り返ってみても20%台はゴロゴロしているし、10%台だって珍しくはなかった。
朝日新聞が現在支持率の内容を調べた。大いに満足が1%、やや満足が24%で合わせて25%となっている。一方不満の方は、やや不満が45%、大いに不満28%を合わせると不満層は73%となった。
満足度合いを調査するのは珍しい。新聞社の全国調査はあまり細かな質問はしない。しかし私は地方の市長選などで調査する場合、必ずこの項目を入れる。現在の市政に対する満足度は、次回調査に大きな影響があるからだ。現職側、新人側双方共に、これからの戦略構築に欠かせないデータだ。
そもそも一般的に市長さんの支持率は、内閣支持率ほど低くはない。すごく大雑把に言って、40%台が大多数だ。大いに満足十数%、やや満足が二十数%といったところか。不満層は合わせて30%台くらいが大筋だ。分らない/答えたくないが相応数いるので、足しても百にはならない。むしろ内閣支持率が極めて百に近いのが不思議だ。
質問の順番や前段階の質問内容、ニュアンスなども数値に影響するだろうが、地元の市長さんはそれほど嫌われていない。1、批判報道が少ない。2、地元市長をさほどの理由なく否定するのは心情的にはばかられる。3、実はよく知らない。などが原因と考えられる。
それにしても市長らは健闘していると言えるのではないか。もちろん内閣支持率とは単純に比較は出来ないが、60〜70%の名市長もたまに出現する。私の仕事はクライアントを当選させることなので、選挙半年前〜1ヶ月前の調査がメインとなる。つまり選挙直後のご祝儀相場ではない数値が、これほど高いのだ。なかなかやるではないか、というのが率直な感想だ。しかし現職市長が結構落選する。近頃は選挙に強いと言われる二期目、三期目でも平気で落ちる。どうしてなのか?
選挙戦略に穴はないのか。現職市長になって、周りの重鎮に選挙を任せきる。それ事態は必ずしも悪くはないが、その重鎮はすっかりと〝大物〟になって守りの選挙に終始してしまう。新人で当選した時のチャレンジャー的精神は忘却の彼方だ。とりわけ良くないのが、秘書室長だとか市長公室などの人間に頼り過ぎる癖がついてしまっている点だ。彼らは政策には強いが、選挙心理には強くはない。
どうしても市長は大統領になってしまう。直接選挙の市政は議院内閣制ではなく、明らかに大統領制だ。しかし四年間の市政運営は好調でも、うまい話ばかりとはならない。新しい素材が続々と名乗りを挙げてくる時代だ。
次回選挙戦への発想が王様になっていないか。一度きちんとした検証を。
コメント