私の北海道美幌町

 小学4年生で生まれ故郷を出てから、一度も戻っていなかった。何年か前に激しい懐かしさに揺り動かされ、飛行機に乗りレンタカーを借りて、はるばる北海道美幌町に行った。こんなにも小さな町だったのかと驚いた。当時は子供が自転車で近所をうろつく程度の行動範囲だったので、町の規模など分からなかった。
 もう誰も知らない。しかしある店に入って話しているうちに、私の同級生らしき人に電話してくれた。店まで来てくれた彼は、正にクラスメートだった。死ぬほど嬉しかった。今も年賀状のやり取りは続いている。
 美幌町に何かしたい。歪んだふるさと納税にはアレルギー反応してしまう。ふるさと納税制度による損失は、我が居住区で10億円にのぼる。今後は諸経費五割以下を厳格化するらしいが、税の本質とかけ離れ、高額おまけ商品による税の消失にはとても賛成できない。
 しかし生まれ故郷が懐かしく、縮小していく自治体を微力ながら少しでも手助けしたいという気持ちを持つ人は少なくないと思う。一極集中がさらに進み、ますます今後はそのような人たちが増えるのではないか。
 自治体のリーダーはふるさと納税以外にも、自治体を応援する制度や仕組みを考えてはどうか。クラウドファンディングも悪くはないが、一過性ではなく定期的に、何事かに参加した気分にさせてくれる金の集め方には賛同も多いと考える。お祭りや遊びばかりではなく、地場産業や良質な行政システムの確立に役立ち、成長を毎年確認できて全国に誇れるようなものであったなら、多くの人が喜んで数度の飲み代くらいは出すだろう。流出人口が多い自治体ほど、考えてみる価値はあるはずだ。

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