憲法学者の辻村みよ子氏が「被選挙権を18歳に改正すべき」と述べている。諸外国は被選挙権を下げる傾向にあるというのが主な理由で「若過ぎるという批判は、有権者が判断すべき」としている。
理由はともあれ、18歳で良いのかどうかはともあれ、被選挙権年齢を下げることには賛成だ。若者の投票率が極端に低い中、政治参加と政治意識を高めることに、まずは大いに役立つと思う。少なくとも投票棄権に罰金を課すとか、投票者に地元商店街飲食店の割引券をプレゼントするよりよほど健全だ。
女性政治家にプラスして若年層政治家が増えると、社会そのものが変わっていくだろう。オヤジ視点に偏った政策の裾野が広がるのだから。市民団体の活動やボランティアに勤しむよりも、ダイレクトに影響を及ぼせる。
立候補には金がかかるが、必要な金の工面に苦労するのは18歳でも25歳でもあまり変わらない。今はSNSで資金や仲間を募ったり、金のかからない選挙を工夫すれば何とかなる。それは並大抵なことではないが、立候補者にはその並大抵ではない努力をしてほしい。
藤井聡太七冠やトップアイドル、世界を股に掛けるスポーツ選手なら、国政選挙当選への道は開ける可能性が高い。あるいは天才ハッカーとか飛び級東大生とか。しかし今の社会状況で、そのような人たちが政治を志すとは思えない。18歳だった頃の藤井聡太二冠には、まだまだ達成しなければならないことがあった。
二十歳前後の市井の若者は立候補できるだろうか。普通には無理だろうが、必ず出てくる若者は一定数いるに違いない。
身近にそんな若者がいても、私は気軽には賛成できないと思う。金は?人は?活動方針は?出馬哲学は?などと問い詰め、その回答を聞いて絶望的になる自分が簡単に想像できてしまう。私の心の狭さは天下一品を誇る。
しかしZ世代には、そんな私の不届きな杞憂を吹っ飛ばす極端な柔軟性と破壊力を感じる。時代談義は常にあったが、職業への感覚が今までとは全く違う。優秀な学生は外資系金融やITにばかり目を向け、国内メーカーや官僚を見ていない輩ばかりだ。日常のファッションを変えるよりも簡単に、転職を厭わない。
そんな世代の議員が違った空気を撒き散らして、議会を大いにアタフタさせて頂きたい。
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