政治への志あれども、会社員や公務員の場合は落選したら後戻りはできない。政治参加しやすいように、職場に戻れる制度を作ろうじゃないかという考え方は昔からあった。
地方政治家の成り手不足で、もっと立候補しやすい環境にしようという動きが加速しているようだ。自民党は女性候補支援を打ち出している。それはまだ理解できるが、必要以上に立候補を促す風潮には賛成できない。政治は山あり谷あり、茨の道も普通なわけで、気軽に出られても困るからだ。
「想像していたのと違う」「自分には合わない」などと言って、入社早々に退職する人たちのように軽く辞められても、迷惑なのは有権者と納税者だ。行政の十分すぎるケアと立候補グッズ無料プレゼント満載な実態を無視して「供託金は高すぎる。政治参加を阻む供託金をもっと安くしよう」なんて言っている輩も、ついでにご退場願いたい。
特に人口減まっしぐらの地方議会は「議員を少なくして、一人当たりの報酬を上げる」以外に政治の質を上げる方法はない。議員定数半分で、給料を二倍にしよう。基本的には国政も同様だ。政治家に対する扱いが、特にここ十年ひどいと感じる。行き過ぎた政治家叩き、官僚叩きは国を滅ぼす。そもそも優秀な若者は政治に近寄ってこない。金融や外資にばかり行ってしまう。
政治への窓口を広げ過ぎても、今以上に資質を問われる政治家が爆増するだけだ。「世襲議員はダメです」どころの話ではない。部下である女性議員に関係を迫って張り込んだり、政務調査費でロリコンフィギアを購入する議員が増えるだけと想像してしまう。
政治への覚悟は重要だ。手取り足取りで立候補を容易にして、ついでに様々に退路を用意してやって、いったいどんな政治家が作られるというのか。わざわざ税金を使って、無能政治家を量産させるようなものだ。
議員の向き不向きについて問われることが多い。議員向きの性格なんて無い。今の時代は、どんなタイプの人が政治家になったってアリだと思う。寡黙な政治家、元引きこもりの政治家、七回目の結婚を目指すシングルマザー政治家、良いではないか。しかし政治を遂行していくのが、誰でも良いわけではない。政治への熱い想いと信念無き者は、舞台に上がる気になるなと言いたい。
コメント