どうする、マンション

 今のマンションに住んで二十数年になる。ひょっとすると私の生きている時代に建て替え問題が出てくるかもしれない。残り人生を考えると、自分は建て替えに賛成できるだろうか。建て替えには個人で数千万円かかる。
 老朽化したマンションには必ず独居老人が多数いる。建て替えには五分の四の決議がいるので、ハードルは非常に高い。
 人口減で全国の都市がコンパクトシティ化していくと、一戸建てよりマンションが増えると知人の建築家は言う。特にインフラ的には、まとまって暮らす方が行政には効率が良いからだ。ゴミ処理や雪国の除雪など、高齢者はマンション暮らしの方が楽という点も少なくない。いずれ戸建に住む人には〝一戸建て税〟が課せられるかもしれない。マンション問題は日本の縮図だ。
 リゾートマンションなどに廃墟が出てきた。建て替え決議に所在不明者を除外する今回の区分処分法改正案は、日本の将来に向けて一歩前進だという考えは決して大袈裟ではない。
 私がちょっと油断していると、近所の空き地にはすぐにマンションが出来る。いや,マンションを建てるために、更地にして空き地を作っているのだろう。もっと早くきちんと法整備をしておかないと、日本は全国各地で収拾がつかず、どうしようもなくなってしまう。あと三十年もすると、日本は廃墟マンションだらけになる可能性が高い。特に東京がヤバい。相変わらずタワーマンションもバカバカできているが、この先どうなるのだろう。
 近い将来の明らかなる問題に、積極的に政治が取り組まないように見えてしまうのはどうしてか。まっ、あまり有権者受けしないし、投票には有利ではないか。

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