公立大学を増やすな

 前から気になっていたが、もの凄い勢いで公立大学が増えている。この30年で3倍となり、100校に達した。よく自治体や国は新たに金を出せるものだ。教育費の使い方を間違っていないか。
 国立大学の二番煎じのような大学を作っても意味がない。研究費の多くは旧帝大をはじめとする国立に集中する。地方の新設公立大学には、国立に行けない学力の学生が行くだけだ。どうしてここに少ない資金を投入するのか。
 秋田にある国際教養大学のように、特殊教育をするなら価値がある。AIやホワイトハッカー養成、世界の諜報機関に対するインテリジェンス教育などを行うのも意味もある。外交教育だっていいし、核融合専門大学もアリだ。しかし他大学の真似をするかのような大学を今更増やしてどうするのか。
 定員割れの学校法人を救うと言っても、救われるのはその学校だけだ。少子化が極まっているので、増えすぎた大学はいずれ淘汰される運命にある。それなのに延命のために金を使っているだけに見えてしまう。
 「地域の私立大学の定員割れが続き、廃校になってしまうと地域が衰退する」と大学を公立化するケースが多い。しかしそもそも大学の公立化ごときで、地方の衰退を止めようとする考え方がおかしい。人口減はそんなレベルではない。
 異次元の少子化対策の財源議論がこれから始まってくる。限られた教育財源をどこの部分に投下していくべきなのか。今までの発想で同じようなことをやっていては、国際競争力は弱いままだろう。

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