岸田総理の長男秘書官が首相公邸で親族らと忘年会をやって記念撮影をした。悪事を働いたわけではなく不祥事というほどのことかと思うが、野党は批判しマスコミも騒いでいる。
これで外遊先での観光と二度目である。前回も不祥事のネタとしては大したことはなかったが、長男秘書官には自分の置かれた立場、時期と場所を考えるセンスが欠けているようだ。
私も秘書経験があるが、秘書は自分を殺して親分の仕事がスムーズにいくよう徹底する。親分最優先で黒子に徹しなければ務まらない。長男秘書官はどうも秘書に向いていないような気がする。
安倍元総理をはじめ自分のオヤジの事務所で政治家修行をする人は多いが、もうそれはやめた方が良いのではないか。秘書には向き不向きがある。黒子に徹して身を呈する思考形態が大切であり、そうでなければ政治家本人の活動に支障をきたしかねない。
そもそも政治家と秘書は本質的に違う。仕事だけではなく、仕事に向き合うスタンスも違う。長男秘書官は秘書よりもずっと政治家に向いているのかもしれない。
政治家修行で、何も小手先の政治技術を取得する必要はない。それよりも広く世の中を俯瞰し、グランドデザイン力を磨く修行の方がずっと役に立つだろう。ジャーナリストであったり教育家であったり、福祉の専門家であったり、様々な視点から経験を積む手もアリだと思うのだが。
秘書を修行の場として良くないと言っているわけではない。「政治家修行イコール秘書」という考えから離れるべきだと言いたい。事務所で雇える秘書の平均数は格段に少なくなって、秘書の質は今本当に重要だ。少子化で多くの子供達が〝主役〟として育てられているが、秘書は今後ますます人材不足になってくるだろう。
少子化はますます進み、秘書だけではなく、縁の下の力持ちと言われる職業の人材不足を心配してしまう。
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