自公連立の行く末は?

 今更だが、自民党にとって公明党と連立を組むメリットは何か。他の政党には持ち得ないものを、公明党は伝統的に所有している。
 それは全国津々浦々に票が散らばっているという事だ。維新の票の総数がいくら公明を上回っていたとしても、地域に大きな偏りがあれば自民党の小選挙区候補者が全て有利とはならない。
 もう一つある。公明票はどの政党支持よりも固いという事だ。活動員が高齢化しているとか数を減らしているとか言われているが、支援としての実態は他団体や他政党を圧倒していて、投票率の高さと熱心な個々の活動にそれは表れている。だからこそ自民党の候補者らにとって、連立の意義は大きい。
 イージーに公明党から維新に乗り換えようとしても、そう簡単に有利な状況を作ることは出来ない。公明党にしても政権与党にいるメリットはとてつもなく大きい。
 だが両者の大人の関係に金属疲労が見られる。大きな組織は小さな組織の存在を高く評価し、小さな組織は大きな組織に対し必要以上に自らの存在意義を誇示しない。そうした長年の知恵の上に成り立ってきたバランスが、大きく崩れようとしている。互いに冷静になって大人の関係を継続していくのか、面白くないと言って離婚してしまうのか、これからの政治を左右するゆえ大いに注目される。
 もし公明党と離れるとすれば、例えば他宗教支援者とか学会嫌悪層など、自民党に戻ってくる票も相応にあるはずだ。自民党の首脳はそれらを大車輪の急務として精査していることだろう。

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