元々北海道の人間だ。ヒグマの怖さは十分に知っている。
死んだふりをすれば良いという神話を信じている人はほとんどいないだろうが、実際ヒグマは最強だ。爪で撫でられただけで、人間の顔が吹っ飛んでしまう。脚力も腕力も桁外れだ。逃げようとしても時速40キロなのでウサインボルトよりも早く、泳ぎも達者で木登りもする。流石に空は飛ばないが、逃げ切ることは難しい。だから迂闊には山に入らない。
これが本州に来ると、途端に熊をナめてしまう。「どうせツキノワグマでしょ」素手で戦っても、場合によっては自分が勝てると思ってしまう。
強い相手から弱い相手に対立候補が変わった時は要注意だ。実力、見識、人間力がある重鎮政治家から、アホと誉れ高いジュニアに入れ替わった場合などである。どう考えても、自分の方が候補者として上だ。
相手は自分らがかつぐジュニアはアホだと知っている。前回の集会ではボーッとしているので叱り飛ばしたが、それでもピンときていないらしい。街頭演説会では他の応援演説中に、なんと鼻くそをほじくっていたではないか。
一方ならぬ危機を感じているのは、相手陣営そのものだ。だからいつになく後援会は固まっている。アホだけど可愛いところもあるボンを何とか当選させて、引退した大先生を喜ばせてあげたいとみんなが思っている。自然とその一致した思いは、とてつもないパワーとなって選挙区内を駆け巡る。
向こうが危機だと思う。こちらが有利で大チャンスだと考える。スポーツや他の勝負事以上に、選挙はこれが最も危ない状況と知っておくべきだ。
相手陣営の総合的な力を侮るなかれ。
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