政治より先を行く

 LGBT法案が自民党内で了承される。一昔前ならとんでもない法律で、二十年前の私ならふざけるなと叫んでいたかもしれないが、時代としても議論されるべき当然のテーマだ。
 様々な統計があり一律ではないが、株式会社LGBT総合研究所が令和元年に発表した情報では、日本全国20歳から69歳のうち10%が性的少数者だという。これならもう少数者ではない。世界各国の常識と照らし合わせても、サミット前に何とかしようと思った関係担当者らの苦労が伺える。因みに私は性的少数者に対して、格差是正には賛成だが、優遇措置には反対である。
 それにしても気になったのは、学校の中での性的少数者に関する教育、啓発、相談機会の確保などの努力義務規定に、削除を求める意見が複数あったということだ。「努めるものとする」という表現を弱める修正案を検討しているらしい。
 何とも情けない話だ。「努める」のどこが悪いのか。罰則があるわけでもあるまいし。
 知人の姪が、物心のついた時から意識が男の子だった。その母親は動揺することは全く無く、娘が幼稚園や小学校に入った時に先生に詳細を伝え、可能な配慮をお願いした。先生たちは快く引き受けてくれたという。小さい頃から隠し事ゼロだったので、友達にも普通に、違和感なく分け隔てなく受け入れられた。
 たまたま周辺の理解があったと判断する向きがあるかもしれないが、それは違うと思う。周辺が適切なる判断と対応をしたからこそのクラスメートらの意識があった。もっともこのような教師ばかりではないと思うけど。
 現実が政治を超えているケースを時々見せつけられるが、〝努力義務〟程度のことが許せない議員らは、もっと世間を勉強してみたらどうか。
 

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