公明の集票力に翳りが見え、自民党勢力の中には「公明を切り捨てて、維新と組んではどうか」という意見があるという。随分と自分勝手な考えに聞こえるかもしれないが、それが政治なので何も珍しいことではない。
しかし小選挙区に候補者を続々と立てようとしている公明の姿勢に、自民党本部は支部の怒りをどうやって収めるのだろう。〝大人の政党〟とある種尊敬されていた公明党だが、維新の前にすっかり萎縮し切っているようだ。
公明党の憲法九条改正に反対というスタンスも見えてきた。自民と公明の乖離は、連立二十年を超えた今、はっきりと目に見えるものになってきている。
こっちがダメになったからあっち、という直情的なうつろいには有権者はそっぽを向くだろう。そこに大義名分が無ければ、維新は増えても自民の議席は伸ばせない。政党や派閥には栄枯盛衰があるのだから、現状の勢いだけで決定して良いというものでもない。
それにしても選挙の様子が早くも見て取れる。自民党が公明党に譲った選挙区に、維新は遠慮せず喜んで候補者を立ててくるだろう。地元自民党支部の猛烈な反対を押し切って擁立した公明党の候補者は、そのほとんどが討ち死にする可能性がある。今まで自民筋の指示で公明に入れさせられていた自民支持者は、立憲には投票したくないが維新になら投票できる。
自民公明間で敗戦の罪のなすりつけ合いが始まり、歴史の終焉にもつながりかねない。それを両党の首脳陣はどう阻止していくのか見ものだ。
コメント