安倍元総理銃撃での不起訴処分

 安倍元総理を銃撃した山上被告の捜査が終わった。複数の罪で起訴されたが、公選法違反は嫌疑不十分で不起訴となった。検事は「立証に足りる十分な証拠まではない」と説明したが、とても不思議だ。例えば演説中の候補者を殴っただけで、選挙の自由妨害罪は成立する。4年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金と、暴行罪以上の罰則となってしまう。
「被告には選挙を妨害する明確な意思は確認できなかった」としているが、どう考えてもこれはおかしい。演説をしていたのは被告には分かっていたはずだし、殺せば演説どころではない事くらい知っているだろう。
「山上被告が事件を起こした最大の目的は安倍氏を殺害することであり、地検は選挙への影響は本質ではないと判断したのではないか」とされるが、例えば殴った奴が敵陣営だろうが選挙と関係ない人間だろうが、選挙妨害という観点からこれを判断するのが本筋で、事実演説中に殴られた候補者が訴えれば、ほぼ確実に罪は成立する。演説中に殺害して、どうして選挙の自由妨害罪が適用されないのだろう。何が証拠不十分なのだろうか。どう見ても現行犯だ。
 本番中の掲示板ポスターの顔をマジックインキでドラえもんの顔にすると、この罪が適用される。しかし事前の政治活動用ポスターにこの罪は適用されず、その場合は器物損壊罪となる。その罰則は天と地の違いだから、酔っ払った大学生などは十分に注意されたい。
 発砲した挙句、死なせてしまったのだから、これ以上の妨害もないだろう。また公選法231条には凶器携帯罪といのがある。選挙に関して、銃砲、刀剣、棍棒など人を殺傷することのできる物件を携帯したものは2年以下の懲役又は30万円以下の罰金とある。演説中だったのだから、どこからどう見ても自由妨害罪の現行犯だ。
 司法っていったい何を考えているのですかね。社会的実情、選挙現場的感覚から離反しているように思えてならない。もっとも殺してしまったのだから、それどころではないのかとも思うが、きちんと世に罪を知らしめた方が良いのではないか。

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