全国各地の首長選挙で『多選』が問題となっている。議員はともかく、知事や市長ともなると、多選は弊害が多い。3期、4期ならまだしも、5期、6期と進めば大方の住民は「もう勘弁してくれ」となる。新人候補は当然そこを突いて、選挙戦を有利に運ぼうとする。私もクライアントが新人の場合、これでもかというほどそこに焦点を絞った戦いを考え、多選の具体的な弊害をあげつらう。
しかし全国を見回してみると、それどころか7期超えの首長も少なからず存在する。これら首長には2種に分類できると考える。
一つは小さな自治体で、コミュニティー的に他者が逆らえない場合だ。それは何も権力という意味ばかりではなく、地域的に年寄りが多くなってしまって「まあ、いいんじゃないの?特に悪いことなんてしてないんだし」といったナアナアの状態だ。若い者はほとんどいなくて、誰も変化なんぞ望んでいない。村長さんはいつもニコニコしているし、あとは静かに首長も自治体も自然消滅を待つばかりだ。
もう一つはそこそこの人口もあって、少ないものの若者は一定の活動をしている自治体だ。こういう市の多選市長には、常に新しい『政策』を遂行し続けている人が少なからずいる。私のクライアントである多選市長は、もういい歳にもかかわらず、いつも新しい事を考え先へ先へと思考は進み、政策を模索しながら実行している。しかも大体、実現に結びつけてしまうから凄い。何とこの多選市長、マスコミが悪の権化のように叫ぶ『二世』だ。国政はもちろん、地方議会にも二世の重鎮が少なくない。なぜか私はまだ、三世の重鎮地方政治家を見たことがない。生きているうちに重厚なる三世地方政治家を見てみたいものだ。
新しいものをさっぱり生み出さない大きな都市の多選市長や知事がいる所は、投票者たる住民は一体何を考えているのだろう。今は何もかもが縮小の時代、現状維持にも新しい政策が必要だ。
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