ヨソ者を排除する心理は?

 福井県池田町で「移住者の心得」として、都会風を吹かすなだとか品定めをされるのは普通などと書かれ、物議をかもしている。人口減に自治体が苦しむ昨今、まるで移住を拒んでいるかのような記載はかなり特異だ。子育てに手厚いケアをしている町政に反するスタンスのように映るが、かつて池田町役場も似たような注意書きを出していたらしい。
 この記載には反対意見ばかりではなく、何と好意的な見解もあるようだ。「書き方は乱暴だが、言いたいことは分かる。注意喚起につながる内容だ」とかつて移住に失敗した人らには賛成者が少なくないという。
 それにしてもSNSで何事も拡散する世相なのだから、もう少し書き方に工夫できなかったのか。どうせ年寄りが作ったのだろうなどと笑えない人も多いと思う。
 地方自治体も地方発展のための発想やアイディアにも『ヨソ者』が非常に重要な役割を果たす時代になっている。人口をはじめ何事も縮小に向かいがちな現在、外部から来た者を排除していては、その集団はなかなか生き残る事ができないだろう。
 衆議院の選挙区が変わって、転区になる候補者や議員が出てくる。小選挙区の歴史を振り返っても、転区は決して少なくなかった。そのほとんどが比較的うまくいっていたと思う。始めはギクシャクしていた関係も、選挙が近づくとともに、もうそんな事を言っていられなくなる。戦争の最中に内輪揉めや多少のゴタゴタや人間関係のトラブルなんぞ、どうでも良くなってくるからだ。本当の敵は向こう側に存在する。
 候補者の方も向かい入れる地元組織も、我ばかり通さずに一定の節度を持って事に当たれば良いだけの話だ。しかしそれが出来ないケース、出来ない人間が存在するのも一方の事実である。
 選挙も政治同様〝大所高所の見地〟が非常に大きなフィールドだ。

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