先月末のこの欄で「現政権に女性の視点が欠けている。官邸に重厚なる女性スタッフはいるのだろうか。高そうなスーツを着た偉そうなオヤジばかりで政策スタッフを固めているのに違いない」と書いたが、まさか本当だとは思わなかった。今の官邸には女性幹部官僚がゼロだと判明した。
上智大の三浦まり教授は「官邸中枢に中高年の男性しかいないのは、国家運営のリスクを高める」として、さらに「官邸に女性がいないことの恐ろしさに首相は気づくべきだ」と手厳しい。「首相秘書官の問題発言は、女性幹部不在と無関係ではない」とまで言っている。2013年からは官邸に女性幹部官僚はいたらしい。
女性活用だとか女性の時代などとあちらこちらで言われているが、これは至極真っ当な論で、言うまでもない。少子化、人口減、教育、地域経済‥医療福祉の面でも長寿で元気な女性のパワーと視点が世に不可欠だ。選挙力学的にもこれは当たり前のことである。
当たり前のことが当たり前に出来ない現政権。古くから「永田町の常識は世の不常識」などと言われてきたが、ベッタリと世間に歩調を合わさなければ、もう成り立たない事態ばかりだ。行き過ぎてポピュリズム先行になってしまっている部分も多いが、男女活躍くらいは世の中に合わせられないのだろうか。
息子の秘書官を奥様に変えろと書いたのはもちろん冗談だが、何だか軽く書いてしまって、いけない事をした気分になってくる。
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