自民党栃木県連副会長の県議会議員が「投票率を上げなくていい」と発言し、複数のメディアが噛みついた。「県議は取り消しや修正の考えはないとしている」とあたかもそれが大変な問題であるかのように取り上げている。バカじゃないだろうか。
低投票率を嘆き、投票しない人間を悪の権化のように言う連中が少なくないが、私はあちこちでそれらを批判し続けている。一体低投票率の何が悪いのか?
マスコミの尻馬に乗って分け知り顔で「棄権は民主主義の低下」などと言っているが、本当に投票の意味をわかっているのか。何度もいうが、投票は義務ではなく権利だ。参政権と普通選挙は先人の勇気と知恵で我々の社会が勝ち取ったものだ。権利を所有している人間の意思は、100%尊重されなければならない。「お前は高校を卒業したのだから、大学受験をする権利がある。だから大学受験をしろ」などと言う親が多数出現しているのと同じだ。
先人たちが血を流して勝ち得た権利を、私たちは常に尊重しなければならない。それは誰にも侵されてはいけない。自民党のリーダーの中にも「棄権者には罰金も」などとふざけた発言をした議員もいたが、頭が狂っているのではないか。強制的な投票や商店街の割引券付きの投票に、一体どれだけの民主的価値があるのか。不純以外の何物でもない。
何度も言うが日本の有権者ほど恵まれている国はレアーだ。不在者投票、代理投票、在外選挙人名簿への登録、とどめは毎日が投票日の期日前投票だ。これ以上どう有権者を甘やかせというのだろうか。
権利なのだから、投票するのも自由、誰に入れるのも自由、投票しないのも自由だ。人の権利にあかの他人が余計なことを言ってはいけない。真剣に明日を考える人間だけ投票すれば良い。
持論を正々堂々と述べた副会長を、あたかも問題発言したかのような取り上げ方をしたマスコミは大丈夫なのか。正義の権化のフリをして魔女狩りさながらのメディアは、まるで共産圏のようだ。
1票の格差を心配するのも良いが、1票の権利を真の意味で守る方が先決だ。
コメント