コロナ禍における総合支援貸付金の返済が始まった。私も気軽に借りた。仕事は激減していたし、何せ利子がゼロだし「借りたほうが絶対お得」と即申し込んだ。いくら借りたのかも覚えていない。よく調べてみたら120万円だった。それを1万円ずつ返済していく。少額とはいえ、果たしてこれから10年も自分は持つのだろうか。
緊急時なのでもちろんロクな審査などしていない。返済できない人は3割とか4割とかの予想もある。これで良かったのだろうかとふと思う。確かに多くの人が助かったが、公平性の点で疑問が残る。前年同月から3〜5割以上の売り上げ減という条件に当てはまらず借りられなかった人、返済不要条件に当てはまらないが明日の食事にも困っている人‥‥。どこかで線引きは必要だろうけど、線引きは本当に正しかったのだろうか。
飲食業への支援金はさらに疑問だった。大きい店と小さな店を同等に扱った。我が家の近隣から多くの飲食業店が無くなったが、大手ほど撤退は早かった。早々に店をたたんだ知り合いの居酒屋店主は「もう数ヶ月待てば、毎月売り上げ以上の金が入ったのに」と歯ぎしりしていた。
今回の線引きに特段異を唱えるつもりはないが、政府関連機関、政党、マスコミも含めてどこも本気で境界線の検証をしないのはなぜか。今後も似たような状況が出てくるかもしれない。野党はそんなもんには目もくれず、次の案件に対する批判ばかりやっている。少なくとも「緊急時だったから仕方がなかった」という事態を次回は多少緩和できる。以前から思っていたが、国の大事業に対する細かな検証が常に徹底して欠けている。検証は未来の政策に直結し、その蓄積は国家政策立案に間違いなく厚みを加える。
受験だって復習が重要ではないか。的を外した総理や政党に恥をかかせることになる?良いではないか。いずれ後世が判断するって?いや、今すぐ判断して欲しい。野党は詳細検証シンクタンクを作ってはどうか。
復習しない政治家が永田町を闊歩する。今月も私は酒代を節約して1万円を返済する。
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