オフレコはワナ

 首相秘書官が更迭された。同性婚をめぐり「隣に住むのも嫌」と言ったらしい。
 よく考えてみよう。「えー、私の公式的な見解としては、性的少数者や同性婚について見るのも嫌だし、隣に住んでいるのもちょっと嫌です。ゆえに今後の政策についても十分に熟慮し進めたいと考える次第です」などと答えるわけがない。当然ながらオフレコ発言だ。たぶん何も考えなしに、誘導されてしゃべったのだろう。
 ここ何年かの政治家失言は、ほとんどがオフレコを中心にして発生している。オフレコが事実上無くなってしまったのは、ICレコーダーの普及やスマホの高性能化と連動しているように思う。新聞に書けないことだって、どんどん他メディアに出されてしまう。
 立憲の衆議院候補で自民県議候補に転じた今井氏は、衆議院で戦った議員の長男に「あなたと結婚して国会議員になれるなら、私は離婚する」と言ったという。記事は今井氏の人間性に疑問符を問うていたが、どうせ酒の席か何かの戯言で「いやあ、私あなたと結婚したいわーん。うっふーん」と言っただけに決まっている。単なるシャレだ。ワッハッハと笑い酒席を共にしていた取り巻きが、週刊誌のジョークまじりの取材に対して、ふざけた話題として適当にしゃべったに違いない。ひょっとしたら〝今井氏は面白い人、楽しい人〝と表現したかったのかもしれない。
 話題の人には周辺取材が手厚く行われる。河井事件も周辺取材から大きな事件につながった。立候補を明らかにした人間は、だから日頃の言動に注意しなければならない。軽口も冗談もサービス発言も、全く通用しない時代になってしまった。立候補を表明した人間は半公人だ。特に女性候補や女性議員は注意してし過ぎることはない。足を引っ張ろうとする輩は決して少なくないのだから。
 それにしてもつまらない時代ですな。

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