農産物の海外輸出が二連続で1兆円を超えた。農業規模はパチンコ業界に抜かれたなどと騒いでいたのが昨日のことのように思い出されるが、スマート農業だとか何だとか日本農業は進んでいるのだろうか。
従事者平均年齢が70歳に迫ろうとしている産業なのだから、農業でちゃんと食えている人はかなり少数派だと思う。世界的な食糧不足の予測が少なくない中で、やっぱりこれはまずいと思う。金額ベースの国内自給率は7割近いが、カロリーベースでは長らく4割に届いていない。自国のみの食糧生産で、国民の健康を維持できるレベルではない。工業製品を海外に売って食料を買えばいいのではないか、という論はもはや通用しない。事実海産物などでは、日本が買い負けている状況がもう何年も続いている。
そんな中での2年連続輸出1兆円超えは、農業に関して久々に明るい話題のように感じる。若い人たちが参入してこない産業には未来はない。いや、もうとっくにそういう危機は過ぎているのだが。
しかし少子化同様、一歩でも現状から前進させていかねばならないのが食の課題である。政治家や候補者らは農業だけの問題とせず、子供たちの安心・安全に向けた政策としてお母さんたちにもっと訴えていくべきではないか。
1兆円までに来たスピードは非常に早かった。2012年からの10年で3倍までになった。これを2兆円、3兆円としていけるだろうか。非常に夢がある話ではないか。お金儲けができれば農業従事者が増加して、多様な人材も増えていく。高級品ばかりではなく、国産農産物の拡大が見込まれる。国内農業が価値ある産業だと総合的に見直されれば、カロリーベースの自給率も上がってくるに違いない。
それにしても欧米諸国では認められていない農薬の類を使用した農産物の輸入は、もう止めてもらいたいものだが、生産者と消費者が一体となった大きなムーブメントはどうして起きないんですかね。
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