立憲民主党の衆議院選挙区支部長である今井瑠々氏が、今年の県議会議員選挙に自民党で出馬するという。立憲の党勢や組織力の不安や不満が原因らしい。私は不思議で仕方がない。こういうのを乗り逃げ、もしくはご都合主義、またはコウモリ女という。
主義主張が両極端の政党によく移れるものだ。東西の冷戦が終わってイデオロギーが無くなってきたとはいえ、いくら何でもそれはないだろう。国家の本質を成す憲法や国防を、政治家としてどう考えているのだろう。
小選挙区が導入された当初、自民党候補から弾き出された保守系候補者たちは苦悩した。相反する民主党公認でなければ選挙に出られないからだ。当初今以上に、無所属では戦えないと考えられていた。私のクライアントで大臣秘書官までやりながら、苦渋の選択をして衆議院議員になった人がいる。選挙区内の説明、支援者の説得にかなり苦労したようだった。
しかしいかなる言い訳も基本的には通用しない。「選挙に出るがための方便みたいなものだろう」と言われると、そうだとしか答えようがない。自民党の体質に嫌気がさして、他の保守政党らしきものに入るのとは訳が違っている。
政治家としての基本スタンスが問われてしまう。野党議員が「政権与党でなければ仕事ができない」と自民入りするも不思議だが、支援者のため住民のためというエクスキューズを唱えれば百歩譲って良しとしてみよう。しかし国政に出ていた人間が、県議選に出るために180度違った政党に移るのはどうなのか。何でもいいから議員バッジを早く付けたいとしか思えない。そもそも「立憲の党勢や組織力の不安や不満」などとよく言えたものだ。
それを許す自民党は懐が広いと褒め称えられるべきか?たぶん昔ながらの選挙オヤジたちがすだれ頭に汗を滲ませ「今度のねえちゃんは可愛いのう」「わし昨日、握手してもらった」などと言いながら、一所懸命ビラを配布しポスターを貼るのだろう。
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