地方衰退から見えるもの

 長い出張から帰ってきた。「地方の時代」と言われてかなり経つが、いまだに地方の時代にはなっていない。アベノミクスは株価を上げ賃金を上昇させるなど効果が高く、それなりの評価をされた。しかし現在に至るまで地方にはその効果は及んでいないと思う。新しい産業、新しい経済システムを構築しなかったのだから、それは当たり前かもしれない。市役所職員と教員と警官、銀行員と大会社の転勤族しか十分な給料をもらっているようには見えない。小規模IT企業の即時誘致だとか地方移住促進だとか、言葉は勇ましくなっているが、日本を根底から変えてしまうような大きなムーブメントは全く進んでいない。人口減は果てしなく続く。
 10増10減ですめばまだ良いが、これからも都市集中がこのまま進めば、30増30減もすぐ真近だ。そうなってしまえば、いよいよ地方の死滅が明確化する。限界集落なんてもんじゃない。限界シティ、広域限界エリアだ。いっそその方が良いのかもしれない。今流行りのコンパクトシティの究極版だ。きっと超高齢化社会の新しいビジョンになるだろう。お留守になった国土保全は、ITとロボットに任せよう。
 たくさんの文化が消えて無くなるだろう。悲しいな。

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