「無為の勝利」は受け入れられない。

 投票日まであと二週間、おそらく自民党が勝つのだろう。内閣支持率は依然として高水準で、何といっても野党がだらしなさ過ぎる。野党連合どころか随所随所でケンカしている始末だ。ウクライナ問題に関して「外交努力をします」で済ましてしまう度胸には、有権者の方が度肝を抜かれてしまう。
 それにしても気になるのは、自民党の横綱相撲過ぎる選挙スタンスだ。この選挙戦、自民党は何か発言しただろうか?私は何も言っていないように思えて仕方がない。確かに勝ちが決まっているような戦いには、新たな火種が沸き起こらないよう安全運転は必要だ。それにしてもデーンと王様気取りをしてないか?
 今日の公報で、野党は一応言いたいことを言っている。生活安全保障だとか給料を上げるだとか、大胆な減税だとか、軍事費二倍に反対だとか。良し悪しは別として、まあ「そうなんだ。〇〇党」と思えてしまう。自民党のスペースには比例代表候補の紹介はあるものの、党としての政策的なものは何も書かれていない。総理の横には「決断と実行」。30年前の町議会選挙で候補者が訴えていたような文句だ。いや、きっと深ーい意味合いが含まれているのだろうが。それならそれで説明してほしい。
 公示の前日、総理の言っていたことが思い出される。「節電が達成できたならポイントを」私には関東近郊の家電量販店副店長あたりのセリフにしか聞こえなかった。
 圧倒的に有利な選挙戦こそ、大いに攻めなければならない。有権者に響く大きな提言をしていかねば何のための選挙だろうか。少子化に対する大胆な提言、周辺国家からの侵略侵攻に対する納得の準備、ますます大量発生していくだろう貧乏老人の救済、国際ハッキング対策、食糧戦略、圧倒的に下落した国際競争力と国家的貧困に突入してしまった未来像‥。何一つ、我々は聞かされていない。
 選挙戦術とは新ツールのことではない。それは心に刺さる政策の披露に他ならない。国民にとって「無為の勝利」となってはならない。自民党の各候補者は勝勢に浮かれることなく、必死で持論を展開していってほしい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました