黄金の三年は無い

 岸田内閣の支持率が絶好調だ。さすが『聞く力』。夏の参議院選挙に勝利すれば、黄金の三年と呼ばれる日々がやってくる。三年間は選挙をする必要がなく、つまり異変めいた政局は無縁で、じっくりと憂いなく政治に向き合っていけるというのだ。野党のだらしなさは折り紙付きだし、まるで天国だ。岸田政権バンザーイ。本当か?そんなわけない。例え参議院選挙で一定の勝ちをおさめても、三年もの長期に渡ってのんびりできるほど甘くはないと思う。
 株価が下がっている。円も弱い。コロナで疲弊した国内産業も立て直さねばならない。近年の支持率は株価とかなり連動しているし、経済界が本格的に三行半を突きつけたら、一気の転落だって十分にありうる。『聞く力』などと言ったら聞こえはいいが、一度問題ごとが勃発したら、それはすぐさま『リーダーシップの欠如』にすり変わるだろう。
 そもそも自民党衆議院の適切議席数は260〜270くらいだと思う。300議席近い状態が続くと、必ず内部の揉め事が目を出して来る。ポストが足りないからだ。新人候補者への新陳代謝が無いと、政党としてのフレッシュさが感じられず、有権者には澱んで見えてくるのも難点だ。多くの議席を持ったまま党内ガバナンスを保ち続けるに『聞く力』だけでは足りない。
 小選挙区は常に臨戦体制が基本だ。黄金の三年などと言われると、「まあ、もうちょっと先だから」とつい気を緩めがちとなる。しかし政局は一挙加速度的にやってくる。三ヶ月単位で、自陣の活動を計画していくのが理想的だと考える。
 市長選や県議選を視野に入れた新人候補が「まだ四年先だしなあ」と呑気に構えているのも少なくないが、真剣に活動すればするほどアっという間に日は進んでいくものだ。
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました