共産党が党の綱領解説本を出した。ウクライナ侵攻の現実を目の当たりにして、これはヤバいと参議院選挙対策の必要性を感じたのだろう。天皇制廃止、自衛隊解消を棚上げしていたが、そこからさらに一歩進んで現実路線をアピールするつもりらしい。
そのそもリーフレットに「平和なアジア。すでにある平和の枠組みを強める」と正々堂々と載せている政党である。当然出てきたご都合主義といった批判はこの際横に置いておくとして、どうしても気になるのは自然と滲み出てくる上から目線である。「主権侵害に際しては自衛隊を活用する」とは何ごとか。命を懸けて国民の命と財産を守る自衛隊に対して、敬意も感謝も感じられない。自衛隊とは組織であり、組織は一人ひとりの人間から構成される。自衛隊の方々とその家族らは、共産党の「活用する」発言をどのように聞いたのだろうか。
選挙期間中に練り歩きや自転車部隊の先頭で、候補者がにこやかに手を振っている風景がある。一見さわやかだが、近くに「本人」と書かれたのぼり旗があると私は一気に冷める。「何が本人だ。いい気になるな」のぼり旗に名前を記載すると文書違反になるため、配慮したつもりなのだろうが、私のようなへそ曲がりは「お前なんざ、誰も知らねえ。お前らが思ってるほど知名度はないんだよ」と突っ込みたくなる。実際多くの人たちは、何に対する本人なのか分かっていないだろう。最近は国政ばかりか地方選でも、この本人のぼり旗がしばしば登場する。一般の人々にとって県議会候補や市議候補は、そこら辺ですれ違うアカの他人と変わらない。
一般有権者が上から目線と感じてしまう記載や発言には十分に注意したい。それは知らず知らず出てしまうものだ。例え個の課題であっても「やってあげる」ではなく「国家国民の将来に向けた総合的安寧のためにやらせて頂く」という観念を持って政治家は事に当たるべきだろう。それが現代選挙を勝ち抜く一つのコツでもある。
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