小選挙区はすっかり定着した、どころかすでに制度疲弊を起こしているのかもしれない。もう次の選挙形態を模索してもいい頃だと思う。それにしても小選挙区はもちろん、首長選挙だってとても激しいバトルだ。相手候補の批判だって当然あって然るべきだろう。しかし未だに我が国ではネガティブキャンペーンを良しとしない風潮がある。私なんぞは、現職市長を批判しないで、じゃあ何であんたが立候補するの?今の首長でいいんじゃないの?あんたの価値は何なの?と聞きたい。
ネガティブキャンペーンにも様々な形態があり、コンパラティブキャンペーン、フリップフラップキャンペーン、ワムなど一様ではない。その本質は「相手候補の政策に反対する」「政治スタンスや政治哲学を批判する」ということにある。人格を否定したり、ちょっとした一言をことさらクローズアップさせて揚げ足取りをするなどは問題外だ。きっと批判する方に跳ね返ってくるだろう。
ネガティブキャンペーンは正々堂々と表玄関から行うべきだというのは、私の昔からの持論である。最近はコメンテーターと称する人間らが取材相手の言動を切り取って批判したり、一面を取り上げて「あいつはバカだ」などとネットに立ち上げる輩も少なくないが、自分のやっていることが恥ずかしくないのだろうか。そもそも一瞬で、他人を馬鹿だ間抜けだと批判する人間の質は言うまでもなく下劣であろう。またそれを喜んで賞賛する人間も多数いるというのが現実なのかもしれないが、こんな状況が続いていくと産業や未来ビジョン作りで世界に立ち遅れている日本が、文化や人間気質でも世界各国から遅れ始める日もそう遠くないのかもしれない。
「恥の文化」といったワードが良くも悪くも言われた時があったが、もう恥の感覚すらも後進国の歩みをスタートさせているのかもしれない。
新人首長候補よ、格調高くネガティブキャンペーンを展開せよ。
コメント