「決戦は日曜日」を観た。以前に比べて、映画館で本物の映画をよく見る。「老後の資金がありません」も面白かったが今回も楽しかった。
世間知らずで選挙が全く分かっていない女性候補者が、バカバカしくも楽しくてひょうきんな選挙活動を繰り広げていく。「ホンモノの選挙はもっとスゲえですぜ」とツッコミたくなる箇所は多々あったけれど、そうか選挙はこのように見えるものなのか、と大変参考になる映画だった。
特に関心したのは、秘書たちの冷め方である。この冷め方と候補者の熱量の差が非常に面白い。これは私にとって非常にリアルだった。秘書はもちろん選挙スタッフの多くは、とてもクールに選挙と候補者を見つめている。案外候補者自身は想像がつかないのではないだろうか。
選挙スタッフを幅広く捉えると、何も中にいる人間ばかりではない。コアな支持者、利害関係のある支持者、地方議員などもそれに入るだろう。「また新しいスーツを買った」「奥さんが事務所に来ると口数が減る」「先週あたりから口調にハリがある。何があったのか」会社のボスや社長なんかも似たようなものかもしれないが、候補者の場合はその存在がよりクローズアップされる。
映画の中の秘書らは、候補者に当たり前の事しか言わない。選挙前選挙後の自分のポジションを考え、保身を考え飛躍を考えると、狭いムラ社会の中では当たり前の事を言っておくのが大体間違いのない選択だからだ。
さて自分の身近に、当たり前の事以外の建設的な意見を言ってくれるスタッフや秘書がいるだろうか。当たり前のこと以外の意見を言う人は少なくないだろうが、現実的で建設的で有益な意見を言うスタッフは案外少ないのではないか。
人を育てるのは難しいが、そんな人こそ秘書になってもらいたいものだ。
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