調査は宝の山

 マスコミは選挙前に情勢調査を行う。支持率をRDD方式で電話調査するのは誰もが知るところだ。各社はそれらを加味して記事を書く。「AがBを追い上げている」の場合、実はまだまだ差があって追いつくのは容易ではない。「互角の戦い」とある場合は、先に論評している候補者がやや優勢である。「幅広く浸透」は圧倒的な優位にあり勝ちは動かない。「独自の戦い」は泡沫候補だ。
 候補者が独自で調査を実施するのも今や当たり前だ。と言うよりも今どき首長戦、国政、県議選で候補者が調査もしないで、よく戦いに向かっていけるものだと感心する。マスコミ情勢調査は表面上の勝ってる負けているしか出てこないが、きちんと独自データーを分析すると様々な自陣営の姿が浮かび上がって来る。
 しばしば私は選挙を大学受験に例えるが(実際は随分と違ってるけど説明がしやすいため)調査無しでの選挙戦突入は、模試も受けずに何も分からずいきなり受験するようなものだ。また選挙が終わった後も、次の選挙のためには是非とも調査をやっておきたい。データーを生かすための分析・報告書が一番重要で、誰がこれを書くかによって調査データーの価値が決まる。例えばであるが、調査結果が教えてくれるものとして1、沿岸部で相手と比べて自分がこんなに弱いとは思わなかった。まさかダブルスコアとは。2、敵はA市では女性層が極めて弱い。後援会婦人部再構築はA市から始めよう。3、あの宗教団体からは期待ほど票が来てないではないか。今後の付き合い方を考えよう。お布施もやめる。4、B衆議院議員は実はあちら側だったのか。今の知事との旧来の関係を考えるとおかしいとは思っていたが。5、会社員には強いのに公務員には極端に弱い。現職首長として役人に嫌われている証左。6、野党市議が増えた以上に選挙区内野党支持率が上がっているので要注意。 などなど。
 昔は地元の票読み専門家みたいなのがいて予測を立てていたものだが、現在はそんなの全く役に立たない。データーだけが選挙区の姿を教えてくれる。候補者や周りの人生がかかっていると思えば、総選挙費用に対する調査費用なんて激安だ。

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