選挙は統計学だ。データーが全ての方向を決定する。それは何も陣営で実施する世調だけではない。私はクライアントに、選挙区内でのゴルフを禁じた。いや、話し合いで決めた。ゴルフをした瞬間、次回の選挙で落選がほぼ決定してしてしまうからである。
私のクライアントはゴルフティーティングプロの資格を持っている。後援者から「一度教えてくれ」「お手合わせを」という引きが切れない。しかし一度でもゴルフを選挙区内でしてしまうと、狭い世界、すぐに噂が走る。あいつとゴルフをしたのにどうして俺とはできないのか、といったしがらみが生まれてくるのは確実だ。
ゴルフは一日仕事だ。一緒にプレーを一回やったとしても、所詮ただの遊びに過ぎず、そこから生まれてくる新しい政治的厚情など期待する方が無理というものだ。
この人とゴルフをやった結果、あの人ともゴルフをしなければならない羽目に陥る。簡単に30人、50人がゴルフを希望して、一緒にプレーせざるを得なくなるのは目に見えている。
岸田総理の任期は3年だ。任期満了はレイムダックになるので、2年から2年半のうちに解散総選挙を実施すると見るのが普通だ。つまり私のクライアントにはざっくり700日の時間しか無いのである。700日のうち50日をゴルフに当てるのは、陣営としてとても耐え難い。
つまり一回選挙区内でゴルフをしただけで、落選がほぼ決定してしまうという恐ろしい予測が成り立ってしまうのだ。
私はクライアントが一回でも選挙区内でゴルフをしたら、即刻手を引くだろう。ここまで説明をして、なおかつ意識レベルが低い場合は一緒に選挙戦を戦っていくつもりはなく、心中まで付き合うつもりも無い。
「ゴルフや酒で人脈を広げるべきだ」という輩もいるが、私に言わせると殆どバカだ。そんな根性で支持を広げられる程、この世界は甘いものではない。
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