よく聞く選挙の〝しがらみ〟

 〝しがらみ〟よく聞くワードだ。地縁、血縁が深い地域での選挙には、必ずこの言葉がつきまとう。例え選挙エリアが都会だったとしても、これを抜きにしてはなかなか戦えないのが実情だ。二世候補や地盤を継承した新人は、必ずこの壁にぶち当たる。
 三世候補であるかつての私のクライアントが言った。「いっそまったく関係の無い選挙区に行きたい。そうすれば全部自分の思うように自由に活動できるのに」嘆きっぱなしだったが、もちろん選挙区を変える英断なんかできなかった。
 あちら立てればこちらが立たず、というのが選挙の常だ。親類縁者が敵味方に分かれて戦っている、なんてのもよく聞く話だ。
 歴史的にはそんなしがらみを断ち切って戦ってきたのが新党だ。日本新党、みんなの党、維新の会などは既成政党の枠を超えたイメージを定着させ、旧来のしがらみを感じさせない戦い方が有権者に受け入れられた。現在は維新の会しか残っていないが、党がなくなっても自分自身の組織をしっかり築き上げた政治家だけが生き残っている。
 しがらみなんて実はどうでもいい。一般の人たち〜一般有権者には関係のない話だ。諸条件はどうあれ、味方になってくれるか、現実的に何を手伝ってくれるかだけが選挙の重要人物かどうかの判断材料だ。条件付きで味方になってやる、なんてヤツは土壇場で敵前逃亡するのがオチだ。
 自分自身で支持を拡大させて、最後まで戦い抜く覚悟があれば、しがらみ何するものぞ、である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました