日本は一流国だと思っていた。つい最近までは。薄々は分かっていたが、やはり大きな勘違いだった。
ある四十歳過ぎの地方政治家の演説を聞いた。「私たちは日本が一流国だったことを知りません。就職は超氷河期でしたし、働いていた会社の景気は一貫して良くないし、バブルはとっくの昔に終わっていてどんな様子だったのかすら知りません」ちょっと衝撃的だった。
日本のGDPが2位になったのは1968年だ。それが42年間続いていた。2000年には国民一人当たりのGDPも2位になっている。パリに行って観光バスに乗った時にガイドさんから「皆さん、あれがパリ名物、ビトンビル前の日本の若い女性たちの行列です」などと説明され、それはそれで恥ずかしかったのが懐かしい。
勝てる産業はとても少なくなったし、水産資源をはじめとする食料は買い負けている。日本への留学生は他国に比べても大きく減らしている。そして総合的国際競争力が問われたワクチンの国民接種はかなり立ち遅れている。
2020年は国民一人当たりのGDPは23位。一位ルクセンブルクの三分の一くらいだ。どうりで海外に行っても何だか物が高くて買えないと思っていたら、こんなところまで落ちていたのかと思う。しっかりと貧乏じゃないか。
経済復活どころの話ではない。「これからの日本はこれで食っていこう」という指針がリーダーにはやはり必要なのではないか。このまま〝見えざる不景気〟がダラダラと続いていっていいわけがない。地方のトップリーダーたちも、我が街はこれでいこうというリーダーシップがますます求められるだろう。
特に東北地方の復興は、けして忘れされてはいけないと思う。東北以外の人たちはすっかり一段落した感があるが、現地の実態はまだまだだ。本物の復興には経済活動の実態ある活性が必要だ。東北のさらなる復興と共に、日本経済を復活大噴火させられないだろうか。
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