第一生命が2025年までに、投資する企業の温室効果ガスを25パーセント削減する方針を決めた。方法としては投資先の企業に、対話で行動を促していく。強制力もないのにそんなことで実効力があるのかとも思うが、取り組みがよろしくない企業は売却も検討するという。環境問題に対して、企業が短期的数値目標を掲げて資産運用するのは異例中の異例だろう。ついにここまで来たかとも思う。
一昔前は環境問題を個人や団体が強く主張すると「左翼系か」とか「精神世界の人か」などと思われることすらあったが、今やすっかりと当たり前であり、全く環境に関心の無い人は無知無教養と考えられるほどに変貌した。少なくとも環境問題が身近な課題と捉えられるのは良いことだと思う。
しなしながら特に地方自治体の選挙においては、環境問題がメインの公約や争点とされることはまだ少ない。あったとしてもゴミ処理施設建設問題くらいだろうか。今日明日の生活に急を要する課題とは考えられていないからだ。もう一つは環境問題に反応するのはどちらかと言えば今は若い人たちが主流で、投票率の高い高齢者は環境問題よりも福祉・医療に関心が傾きがちだ。
公共心と総合力を重視する国民気質や世界的立ち位置から見ても、日本が環境問題のリーダーとなって世界を牽引していく意義と今後の利益はとても大きい。欧米は為政者や知識人はともかく、結局個人個人は自分らが良ければそれでOKと考えているのがマジョリティーのようだし、中国なんぞ問題外だ。
日本の各自治体も副知事、副市長人事を総務省や経済産業省ばかりに頼まないで、環境省から招聘するムーブメントを作ってはどうか。5つ6つもこのような動きがああれば、追随する都市も増えていくのではないか。そしてそれらが世界に発信されれば日本の環境問題は確実に世界をリードし始めるだろう。環境はもう単なる環境問題ではない。技術力〜経済発展のキーポイントだ。
「環境と経済の統合された社会」を二十年近く前から訴えている国会議員がいるが、それを一自治体でも主張して実現していける時代になっていると思う。
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