先の先を読む力

 キューバのラウル・カストロ氏が引退した。ついにカストロ時代が終わった。
 兄のフィディル・カストロ氏の後、彼は私有財産を認めて市場経済を広げ、長年敵対していたアメリカと国交正常化を果たした。何とも時代に即応した柔軟性を感じる。それは一党支配、社会主義体勢を続けるための“変革”だった。
 市場経済を取り入れながら何が社会主義だと思ってしまうが、そんなの関係ないらしい。中国だって市場経済どころか拝金主義〜どこよりも商売大国になってしまっている。
 もちろんネットが世界を駆け巡るこの時代に、ホンモノの共産主義なんか生身の人間には不可能に近いのかもしれない。正に時代の要請、民衆のニーズには逆らえない。
 国内でも無愛想でやる気の感じられない市役所スタイルは、もうほとんど見なくなった。たらい回しは時折やられるけれども、それでも昔のサービス感覚ゼロのような「お役所的市役所」はとても少なくなってきたように思う。これも時代のニーズに逆らえなくなったのだろう。
 これからの自治体トップリーダーには、もう一歩先を進んでもらいたい。自分が引退するであろう4年先、8年先、あるいは12年先を想像して、その先をイメージしながら街づくりを行って欲しいということだ。
 「政治家ならばそんなの当たり前だろ」と言われるかもしれないが、自分の導入したものが先々どう扱われるのか、市民にどう使われるのか、多数の意見、考え方を真剣に拾う作業は結構大変だ。そしてそれらを公平に思考する器量が求められてるだろう。間違っても、自分の市長時代として燦然と輝くレガシーを作ろうなんて思ってはいけない。
 せっかくだし、近場にあるモノホン共産主義国家の今後にも注目したくなってくる。

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