私の田舎は北海道のド田舎だ。事実上、中学生は進路を選べない。ほぼ全員、地元の高校に行く。せいぜい普通科に行くか、工業科か商業科くらいの選択肢だ。
都会ではまったく事情が違っている。高校が選び放題なのは勿論、中学受験が当たり前だ。多くの生徒は自分の希望や学力に合わせた学校を選び、独自のカリキュラムに沿ってさらに成長していく。さらには小学校すら選択できる。何も私立ばかりではない。我が居住区は公立小学校が好きに選べて、各校は「うちの小学校はこんなに素晴らしいのですよぉ」と親たちへのPR合戦に勤しんでいる。生徒が集まらない学校はおとり潰しだ。
私が小学校の頃の大昔だが、勉強のできる私の友人は先生から「塾には行かせないようにしてくれ。勉強が合わないから」と親に通達があった。一年先を走る都会の進学校とは、えらい違いではないか。
親の財力の差が教育格差につながっているという論は多いけれども、それよりも地域格差の方が大きいのではないか。
学力ばかりではない。様々な地域格差が、これからはもっと深刻化すると思う。いや、すでに深刻化しているのかもしれない。
私立高校進学の補助金が大きい地域と小さい地域、水道料の高い地域と安い地域、国民健康保険が高い地域と安い地域、コロナワクチンが早く打てる地域と遅い地域。今まではさほど目立たなかったが、格差がより大きくなると全てのマスコミは黙っていないだろう。もちろん有権者も。
「田舎には田舎の良さがある」それはその通りかもしれない。だが別荘に住む金持ちはその良さを満喫できるとしても、元からの住民には「冗談じゃねえや」と言いたくなる格差も、これからより明確になっていくだろう。
膨大な情報が簡単に取得できる現在、工夫次第で自治体が解決していけるものも多くなってきたはずだ。自治体トップが地域格差にどのように反応、対処するのか、住民は注視している。
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