不退転の決意と見通し

 よく候補者や政治家が言う。「不退転の決意で実行してまいります」
 悪いことではないが、特に首長はよくよく考えて言わなければならない。自身のことならば、まあ勝手なのだからそれで良い。
 しかし自治体の進む道ならば、そうはいかない。市民の命運をかける場合だってあるのだ。A政策が良いのか、B政策が良いのか、様々な角度から検討が必要だ。意見を聞いても性別や職業、年齢が違えばもちろん、ポジションや利権にまで及ぶと、人の意見はまるで違う。判断は軽々であってはならない。
 公約として掲げ当選して、首長になってからでも、モノによってはあらゆる角度からの再検討は必要だろう。しかしそれでもゴーならば、ためらう必要は一切ない。選ばれた首長の責任はとても重い。
 「必ずオリンピックをやる」と声高に明言する政治家は、どう検証した結果なのだろうか。海外の友人らは「正気の沙汰とは思えない」と口々に言っている。日本人政治家らのこの手の発言は、かなりクレイジーに映るようだ。
 そういえばGO TOは、一ミリも良し悪しの検証をしていなかったのではないか。
 ワクチンもまだなのに、国内移動を国家をあげて促進していたのは日本くらいなものだ。歴史に残る国家的愚策の結果が、今を招いていている。
 中国の政治家は百年先を見越して政策を立案するという。それが本当かウソか知らないが、首長らにはせめて五年くらい先のことは考えて欲しい。

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