来春公開予定されている選挙映画のアドバイザーをしている。以前藤原紀香さんが主演をやったテレビ選挙ドラマのアドバイザーをやったことはあるが、映画は初めてだ。
専門家であるならば、さほど難しい仕事ではない。台本の選挙でのシーンをリアルっぽくなるよう指摘してあげる。公選法の内容なんて誰も知らないから、そこを外さないよう目配りする。ストーリーや細かい表現には無論、口出しはできない。
今まで本格的な選挙映画やドラマにはお目にかかったことが殆どなかった。どうしてだろう。たまに小説なんかでは見かけるが。
本来選挙はフィクション映像の良いテーマになるのではないだろうか。信頼、友情、嫉妬、裏切り‥そして戦い。人間界のすべてが選挙事務所という狭い空間に、短期間に凝縮されて存在している。しかも大掛かりなセットや舞台装置は必要ない。台本と役者しだいで、いかようにも面白い映像になりうる素材ではないだろうか。
しばしば現実の選挙事務所でも、冗談ではないかというような異変、トラブル、人間関係が表出する。選挙は投票日という締め切りが決まっているので、全てのトラブルは時間が解決してくれるが、実際うまくいくのかどうかは事務局長すなわち現場のトップ責任者の力量で決まる。
事務方のトップは選挙や地域に詳しい云々ではなく、人間力の大きさで決めるのが一番だ。小手先の選挙の知恵なんてどうにでもなるのだから。
トップに近い人間がぶち切れて途中リタイアしたのを二度ほど見たことがあるが、まあ敵前逃亡と同じだ。そんなサイテー野郎に事務所を預けてしまった候補者は悲劇。そんなこんなを含めて全て背負う気概がなければ当確は遠い。
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