91歳の父が昨年末に転倒事故で頭を打った。前日まで自分で朝晩の食事を作り、毎日酒を飲んでいた。事故の翌日はもう意識が無く、痙攣が止まらなかった。ピンピンしていたのに、老人は一日にして変わってしまう。
頭を開ける手術を二度行った。簡単な手術と聞いていたが、そこは91歳。横で見ていて、かなりの負担だったのは間違いない。術後の苦しみは相当だった。父は今もって病院にいる。この後は施設に入ることになるだろう。病院は三度目の手術の可能性を示唆し、その場合は今までと違って大掛かりになるという。
医療に携わる方々の尽力に感謝するしかないが、それにしても91歳に二度も頭を開ける手術は、私には衝撃だった。ひと昔だったら、このままあちらに逝くケースだったろう。
日本の医療のあり方はこのままで良いのだろうか。父の日頃のスタンスを知っていた故、延命行為は断ったが、それでも一連の治療を延命に感じてしまった。盲腸で二百万円などと言われる欧米につい比べてしまうが、父の一ヶ月の入院費は十万円にも満たない。外国人の国民健康保険の不正使用は僅かだと報じられたが、素人目にも国民皆保険の破綻は目に見えている。働き手の人口が減り続ける中、税金はさらに大きく増加されるに違いない。
父の脳はすっかりと減退してしまった。もう元に戻る事はないだろう。一人で歩ける日は来るのだろうか。
誰が今後の医療費を払うのか

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