アイルランドでは女性候補者を一定以上にするクォーター制が用いられている。総選挙で40パーセント以上の候補者を女性にしなければ助成金が半減する。女性候補者は増えたが当選した女性は25パーセントで、クォーター制は万能ではないと朝日新聞は分析している。私は十分に機能しているじゃないかと思う。第一どんな選挙制度にしても、万能などあり得ない。
よく言われるのが「優秀な男性がクォーター制によって候補になれない」というのがあるが、これは明らかに間違っている。その優秀な男性が政治家になるよりも、国家の構造そのものを是正する方が国民に利益がある。日本の女性議員の割合は15、7パーセントで西欧諸国の中では最低の142位だ。男女ほぼ半々の社会の中で、女性視点の政策が矮小されていく。
なぜ女性候補者や女性政治家が少ないのか。資金、仕事と家庭、教育や子育てなどあらゆる社会的環境が女性の政治進出に不利になっているからだ。クォーター制になっても必ずしも女性政治家が爆増するとは思えないが、現代社会に適応するためには女性的視点の矮小化が進み切るよりよほどマシだ。優秀な男の政治家もクソもない。
私は投票率を上げるための投票強制化や無理強いに強く反対しているが、若者の政治参加が少ない社会は、あまりよろしくないと考えている。政治家は今現在を見すぎて、若者的視点、つまり未来思考の政策が少なくなってしまう。しかし女性が不利なのと比べて、若者が状況的に不利なわけでは無い。むしろ有利なくらいだ。そこは個々の「選択」以外にないと考える。
間違えてならないのは増やすのは女性候補であって、女性政治家ではない事だ。最終的に判断するのは、いついかなる場合も有権者でなければならないと思う。
クォーター制度は万能か

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