縮小国家構想こそ急務だろ

政府は今後十年間に実施する施策の考え方をまとめた。「楽しい地方」を掲げて若者や女性に選ばれる地域作りをしていくという。
 何を今さらか。もう十年以上も地方は衰退し続けている。それ以前から人口減は明確なデータで表され、研究機関やマスコミ、そして行政機関そのものが警鐘を鳴らしていたではないか。
 どうせロクな具体案なんぞ出てこないだろうと、つい悲観的に見てしまう。そんなものがもしあったならば、とっくに実施していたはずだ。
 お題目は素晴らしい。若者や女性に選ばれる地方を作る。魅力ある働き方、職場作りを官民で進める等だ。呑気なものだと思ってしまうのは私だけではあるまい。
 もう人口が八千万人、その先の六千万人時代を想定した国家のあり方を策定していった方が良いのではないか。三十数年後の八千万人は確定している。35歳以下の女性が激減している状況からそれは間違い無いし、第一厚生労働省がそう言っている。日本の政治家のスローモーな生態から、その先も後手後手となり、国家人口五千万人は決してSFではない。
 五〜六千万人の国家を想定して、水道、道路補修、治安維持はどうするのか。農業は?物流は?国際競争力は?防衛は?
 特にもう想定しておかねばならないのは都市計画だ。我々国民はどこにどう住むのか。北海道なんか、場合によっては数箇所でしか生活できなくなるだろう。どう人を寄せてどんな生活圏を作るのか。もちろんインフラは大きく変わる。
 失われた三十年なんて言っているうちに、アッという間に次の三十年、五十年がやってきて人口が半分になってしまう。いや、もう政府は秘密裏にキッチリと策定しているのかもしれない。国家の裏活動は小説もどきだが、このテーマに関しては是非ともそうであって欲しいと思う。

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