最近の政治家は十年先を見ない。自分の選挙ばかり念頭に置き、せいぜい数年先の事しか考えないからダメだと常日頃言っていたが、そうではない政治を実践している人がいた。私は大いに反省し、考えを改めなければならない。神戸市の久元喜造市長だ。
神戸はこの先のタワマンを規制した。「自治体間で人口を奪い合うタワマンは人口減少時代に相応しくない。人口が減るのが分かっているのに建て続けるのは、将来の廃棄物を造るに等しい」全くその通りだ。それにしても凄い市長がいたものだ。
新しいものを作り出す努力はとても尊い。地方ブランドを確立したり、ニュービジネスモデルを作ったりと、無から有を産むのはとても有意義である。
しかし総量が決まっているのに、それを奪い合うのは本来不毛だ。例えば国民が収める税収の総量が増えるわけでもないのに、ふるさと納税で他所からぶんどったり、人口誘致に向けて隣近所から人をかき集めるような施策を進めるなどだ。
ましてこれから確実に増えてくる大量の老朽化マンションに対して、国はまともな対処法を示していない。まあ、数十年先の事だし、とでも考えているのだろう。
少なくとも三十年以上は、人口増加には転じない。子供を産む女性数が増えないのだから、それも当然だ。だから日本はかなり将来の人口増政策を考えていくしかない。逆に言えば、向こう三十数年間は人口減に対応する政治をやらなければならないのである。ちなみに内閣府が予想する2060年の日本の人口は、8674万人だ。
本来は神戸市長がやる政策ではなく、国家単位で国が指針を示すべき内容だ。直近の経済効果の方を優先し、将来は二の次三の次とでも考えているのだろうか。第一居住する気もなく、投資目的でタワマンを買う外国人にタワマンを一所懸命供給してどうなるのだろう。
神戸市長にファンレターでも書こうかな。
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