今どきパワハラ感性

 北海道北見市の市議がルールを守らずに廃棄物処理場にゴミを持ち込み「俺が市議だと知らないのか」と暴言を吐き、施設内の業務を妨害した。長谷川参議院議員といい偉すぎる北海道の政治家ばかりがクローズアップされるようだが、実はそうでもない。
 岐阜県池田町と愛知県東郷町の町長が今年二人もパワハラで辞職したし、兵庫県知事は今や渦中の人である。時たまテレビで評論している豊田真由子元衆議院議員の秘書に対する「ハゲーっ」はあまりにも有名なパワハラ辞職だったし、今をときめく泉房穂元市長だって暴言が元となってすったもんだの挙句に辞職した。
 ここ数年、様々なパワハラ問題がニュースになっても、少なくない政治家は変わっていない。どうして政治家たちは昨今の出来事や反響に敏感にならないのだろうか。
 一つは政治側のセンスの問題だ。パワハラ問題が報じられても決して〝自分の身近なこと〟と体感できないのだろう。自分の周りでも十二分に起きうることだと察知できなければ、これからの政治家は務まらない。もう社会の風潮がそうなっているのだから、昭和的な体質ではどんなキャラクターの政治家を演じても、とても受け入れられないという事実をしっかりと認識すべきだ。
 もう一つはSNSや録音機器の発達についていけていないのだろう。24時間365日、全国民が誰でもスピーカー、誰でも放送局ということを常に覚えておかなければならない。日常において、もう一瞬のスキを見えることができないのである。
 自分の周りは大丈夫、そう思っても人の気持ちや好き嫌いはうつろいやすく、一瞬で攻守は入れ替わる。その意識は薄くても、軽いノリのパワハラ気味、セクハラ気味の音声を複数回撮られれば、事実はどうあれもう立派なクロだ。
  もっとも真っ黒な人ばかりの今や有名人となった人たちには、さっさとご退場願いたいものだ。

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