何かと喧しかった都知事選が終わった。
石丸候補の二位には驚いた。マスコミは「ネットと街頭演説で急伸した」と論じているが、それ以上の原因があったと私は考える。有権者ができるだけ「今までの政治とかけ離れたもの」を渇望していたように思えて仕方がない。
石丸候補に特段際立った政策は無かった。のほほんとし続けるおっさん市議らを罵倒していた若くて市長になったばかりの存在そのものに、何よりも目新しさを感じたのである。
都議の補選九つのうち、六つを女性が取った。こんなことも初めてだ。既成政治の象徴でもあるようなおっさん政治家よりも、30代、40代の女性を都民は選んだ。補選があった有権者たちは女性議員の時代を願ったわけではなく、なるべく「今までの政治とかけ離れたもの」を望んだ結果だ。小池都知事だって元は自民のブラックボックス破壊に立ち向かい、既成政治と戦った象徴であるかのような存在だ。三選目が以前の鈴木都知事のような人だったら、果たしてどうだっただろうか。
地場を歩き、自分の選挙に危機感を持っている若手議員ほど、有権者の「今までの政治とかけ離れたもの」の渇望を感じているだろう。岸田総理の再選は麻生氏の支持次第などマスコミは論じているが、果たして麻生氏はこの都知事選をどう見ていただろうか。
総裁選について言及する際に新聞各社は、解散したにも関わらず派閥がそのまま残っているかのように記述している。「二階派は一致してまとめられるか」「茂木派の〇〇は岸田総理の動向について‥」など、派閥の解散などどこふく風だ。有権者の方だってそれを如実に感じているだろう。
自民党の次期総裁はどこまで「今までの政治とかけ離れた」演出ができるだろうか。
コメント