東京15区補選でつばさの党の〝明確な意思を持った〟選挙妨害が問題になっている。他候補者の演説を大音響で邪魔をしたり、相手候補者をカーチェイスのように追いかけ回したり、挙句に果てには暴力沙汰まで起こしている。警察による警告の後も、同様な悪質行為を繰り返している。
どうして即逮捕しないのかと思っていたら「候補者として守られているから」らしい。これは明らかにおかしくないか。証拠の不要な現行犯だ。選挙の自由妨害罪は四年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金、かなり重い罪である。
こいうのを野放しにして選挙期間をやり過ごすのは、いよいよ民主主義の危機だ。言論を正々堂々と封鎖させることが可能になるからだ。
例えば一騎打ちの市長選で考えると分かりやすい。相手陣営を鎮圧するため、ダミーの候補者を一人立てるのだ。その候補者の街宣車は敵方の攻撃や選挙妨害だけしていれば良い。右翼団体は活躍の場が広がって、イキイキするだろう。全国各地から「特別注文」が入って、あちらこちらの市長選に出馬してくるかもしれない。
例えば菅直人元首相の後継として次期衆議院選に出馬する前武蔵野市長など、格好のターゲットにされやすい。前市長は中国資本に駅前の土地を安価で売り、裁判を起こされている。
「中国に市民の大切な土地を捨値で売り渡した売国奴ぉ〜」と右翼団体車さながらの選挙カーに叫ばれれば、ダメージは小さくない。反感を買って、かえって逆効果になると考えるのは早計だ。そもそも裁判のことなど、ニュースに敏感な市民でなければ興味を持たない。政治にも選挙にも興味がない人が大半で、裁判内容を知っている市民は2〜3割もいないだろう。それが一気に広まる。そして投票率はざっくりと50パーセント、影響は無いと考える方がおかしい。
今回の事件をリードしたつばさの党の指導者が無罪になれば、選挙後も逮捕されなければ、取り締まり当局の職務は形骸化されたと言っても過言ではない。
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