月収30万円の夫婦がいる。子供が四年生になったので塾に行かせたい。本人も行きたいと言っている。月謝が一万円かかるが仕方がない。子供のためだ。この一万円を何とかしなければならない。お父さんは晩酌のビールを発泡酒にして、お母さんは毎日食べていたコンビニスィーツを二日に一回に変更した。
当たり前の話だ。普通過ぎる。しかしこの普通が政治は出来ない。出費が増えたら何が何でも増税、この一手だ。復興税、防衛費、そして今度は子供税か。
全ての役所のスタンスもおかしい。前年度よりもアップした概算要求をしなければ、自分らの立場がないと考えている。失われた三十年とも四十年とも言われているのに、国家予算は増大していくばかりだ。その間国民一人当たりのGDPは地に落ちた。そして国力もすっかりと失われ、「安いニッポン」が出来上がってしまった。
これは止めよう、これも減らそうとどうして普通のことが考えられないのか。選挙が怖いからに他ならない。ポピュリズムも行き過ぎると国家を滅ぼしてしまいかねない。
子供が減っているに関わらず、大学が三十数年で倍増した。その挙げ句、四割が定員割れを起こしている。私学助成金の交付金だけで平成四年度で三千億円だ。その挙げ句大量のFランと呼ばれる大学を増殖させ、授業で中学英語や漢字の書き取りをやっているという。私学助成は大物政治家の牙城なので、なかなかカットが出来ない。さらには死にそうな大学を助けるために、地場の私立大学を大量に続々と公立に変更していった。金の使い方が根本的に狂っている。
「子供は贅沢品」と誰かが言った。子供にお金がかかる時代になってしまったからだが、公教育で幅広くしっかりと基礎学力を付けてくれれば、本来何の問題もないはずだ。役にも立たない大学を増やすより、もっと金の使い方を考えて実践してくれる政治家の誕生が望まれる。
自治体のリーダーならば自治体から変えていける。教育はもう国家以上に、地方自治体が担う部分の方が大きいのではないか。
コメント