2024年度の開成中学の入試問題をやってみた。算数はほとんど出来なかった。恥ずかしい限りだが、それはまあ、この際横に置いておくことにしよう。
一昔前と比べて、今の中学受験は異様だ。「二月の勝者」を読むまでもなく、割と身近に発狂寸前のお母さんたちを何人か知っている。
「なあに、私立中学になんか受からなくても、どうってことありませんよ」と真実の教えを説いても、良くて無視される程度、悪くてキレられるのは目に見えている。近寄らないに限る。
コロナ禍の数年が私立中受熱をさらに高めてしまった。加熱する一方で、この先どうなってしまうのか本気で心配してしまう。好きな子供たちはいい。しかし八割方は気の進まないまま、やらされているように見えて仕方がない。
今の時代、つくづく都会で育たない方が良いと思う。中受は経験する効用も少なくないと考えるが、親子ともども人格、人権、人間性を失ってまでやるべきものではない。
ネットの普及は飽和点に思われるが、なあに、商売人たちはもっと高みを目指している。中学受験への容易な参加、それに変わる〝何か〟がまもなくド田舎にも普及するのは目に見えている。
先取り学習も場によって、時によって良いのかもしれないが、もっと質の高い基礎教育を幅広く充実させられないものだろうか。
私が中学時代を過ごした留萌市の留萌高校は、昨年目覚ましい進学実績を作った。卒業者168人のうち、二十四人が道内外の国公立大学に現役進学した。高校の勉強環境その他を改善させたが、地域も大いに関わっているようだ。人口2万人都市にある唯一の高校に何があったのか。そして進学実績の高い都市への流出が続いていた留萌市に何があったのか。
自治体リーダーは留萌高校の変化を視察、研究してみてはどうか。国公立大学が何でも良いわけではないが、地方が生き抜く術が集約しているかもしれない。
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