国会議員は優遇されている、民間と比べて、こんなにも待遇が良い、などマスコミはよく論調をはる。本当だろうか。
よく出てくるのは議員宿舎だ。赤坂のこの辺りのこのサイズのマンションは、民間なら五十万円だが、議員宿舎は十数万円だ。これは優遇されすぎだ、と嬉しそうにワイドショーは騒ぐが、これは本当か。
比較する対象が違うと私は思う。セキュリティーや国会との位置関係、国民安全のための緊急時のポジション、一括して運ぶ利便性などが全く考慮されていない。比較するならばせめて公務員ではないか。
私のうちの近くに怪しげな公務員宿舎らしきものがかなり広い面積で鎮座しているが、何の種類の宿舎か、家賃はいくらか非常に気になる。国家公務員、地方公務員など、民間家賃比率は議員宿舎と違うのか同じ程度なのか、一回もマスコミレポートを聞いたことがない。因みに私の父は昔地方公務員だったが、タダ同然とは言わないが、家賃負担感はほとんど無かった。
一方議員秘書の少なさについて、議員サイドはよく嘆いている。比較対象にされがちなのは米上院議員との比較だ。公費で賄える秘書数は日本は三人だが、上院は人数無制限で、平均四十人近くを公費で賄っている。これも比較とするのは不自然だ。
日本の上院とも言える参議院は248人なのに対して、米上院は百人のみ。さらに国土面積の違い、住民数の違い、国力の差などは言うまでもないだろう。マスコミも受け手も、比較対象と要件をしっかりと考える必要がある。
候補者にとってとりわけ気を付けなければならないのは、自身で行う選挙調査のスクリプトのバイアスだ。質問内容はもちろん、回答内容、その順番など、ありとあらゆる箇所に注意を払わなければならない。
自身で行う調査に「勝つ負ける」は実は大した問題ではない。自身の伸び代はどこにあるのか、すなわち勝ちの焦点はどこにあるのかを探るためのものだ。せっかくお金をかけて調べるのだから、調査設計にいささかの穴があってもいけない。
宿舎の家賃比較はわざとバイアスをかけているのかもしれませんけど。
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